015. なぜ、強い営業は「前提を覆すような」突拍子もない提案をするのか? ソリューション営業の終焉と A I 時代の営業

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日々様々な企業の営業課題をお伺いしている私どもですが、最近、営業課題として話題にのぼることが多くなったのが、「ソリューション営業の強化」です。

顧客満足度アンケートで、営業がご用聞き的で満足度が低いことが明らかになり、顧客の声に応えるべく、全社をあげてソリューション営業の強化に取り組んでいる大手メーカー、

顧客の言いなりで小さい受注しかできず、価格競争に巻き込まれている状態を改革したいと、営業研修を増やしているITベンチャー企業、老舗材料メーカー、食品販売会社、工業製品商社・・・などなど、

背景は様々であるものの、多くの企業が、自社の営業パーソンがご用聞きであることに、課題を感じているようです。

 

確かに、「ご用聞き営業」は、価格勝負の土俵に自ら足を踏み入れている営業スタイルであると言え、独占市場のような一部の特殊な業態の営業を除けば、非常にリスクの高い営業スタイルと言って良いと思います。AIが発達し、顧客が求めているものを適切な価格で販売する、というような定型業務は、AIに取って変わられるとも言われています。

しかし、だからと言って、「ソリューション営業」を強化する方向性で本当に良いのか? というと、私はそうは思っていません。

なぜなら、強い営業部を持つ企業は、「ソリューション営業」という枠組みをはるかに超えた、革新的な新しい提案を企画することによって、圧倒的な顧客信頼を勝ち取っているからです。

今回は、この「ソリューション営業」というキーワードを軸に、これからの時代に必要な、強い営業部の営業スタイルについて、お伝えして参りたいと思います。

 

いわゆる ’’ ソリューション営業 ’’ は現代のビジネスシーンでは通用しない

まずはじめに、ソリューション営業の定義について触れておきます。

概ね一般的にソリューション営業とは、「営業パーソンが、主導権を握って顧客の課題を明確にし、その解決策として自社の商品やサービスを提案する営業スタイル」のことを言います。

ソリューション営業を強化しようとする時、営業パーソンが強化するスキルは、

・顧客の課題を明確にするヒアリングスキル

・自社の商品やサービスを上手に顧客の課題に結びつけて提案するプレゼンテーションスキル

です。

 

しかし、問題が複雑化している現代のビジネスシーンにおいて、顧客側はどのくらい、営業パーソンからのヒアリングを通じて課題が明確になるのでしょうか。

また、どのくらいの顧客が、営業パーソンのプレゼンテーションを聞いて、「これが自社に最適な唯一の課題解決の方法だ」と判断するかと考えると、疑問が残るのではないでしょうか。

むしろ、顧客側は、営業が行う「ソリューション提案」を、営業トークの一貫だと感じている、と思ったほうが、自然なのではないでしょうか。営業パーソンのトークが未熟であればなおさらです。

「あぁ、この営業は、商品を売るために、あたかも問題解決策を提示しているように話しているな」「商品を買うように誘導されているな」と。

 

2012年末のダイヤモンド社のハーバード・ビジネスレビューに掲載された記事「調査が明かす新たな営業アプローチ ソリューション営業は終わった」によると、

実に平均60%の顧客が、営業に接触をはかる以前に、すでに購買の意思決定(ソリューション調査、解決策の選択肢の洗い出し、価格調査、サプライヤー調査など)を終了させているというデータがあります。

つまり、現代のビジネスシーンでは、顧客は自社の課題を把握し分析する能力や、課題解決策を洗い出すための情報を十分に持っていて、その情報量や能力は、当たり前に営業パーソンを上回っているというわけです。

 

すでに2012年時点でこの記事が出されていることを考えると、2017年の今時点では、ますますこの傾向は加速していると考えても良いのではないかと思いますし、実際に私自身も、営業現場の情報に触れている中で、このことを強く実感します。いえ、思い起こせばもう10年くらい前から、この傾向は、始まっていたとすら、感じます。

 

営業側が、顧客が抱える課題をヒアリングを通じて明確にしようと試みるまでもなく、顧客はあらかじめ社内で収集した情報や分析結果をもとに、「こういうことなので、これをください」と営業パーソンに伝え、

結果、営業パーソンは、そのオーダーに従わざるを得ず、結果的に「ご用聞き営業」にならざるを得なくなってしまうのです。

顧客のオーダー通りに提案内容を作りますので、価格で差別化せざるを得ないとか、ちょっとした機能の差で負けてしまうというようなことが起こってしまいます。(こういった背景が、ご用聞き営業をどうにかしたい、という企業からの問い合わせ増加にも通じているのだと思います)

顧客と営業側の情報格差があった時代は終わり、情報が溢れ、更にAIによる市場分析やシミュレーションなども容易になりつつある今、営業パーソンが顧客よりも主導権を握って課題解決方法を提案するという従来のソリューション営業のスタイルは、実行が非常に難しくなっているのです。

 

これからの営業は「前提を覆すような革新的な提案」と「変革志向の探客」が必要

それでは、そんな状況の中でも成果をあげ続けている強い営業部を持つ企業では、どんな営業を行なっているのでしょうか。

強い営業部では、顧客が考えているそもそもの前提を覆すような、革新的な提案をしています。

例えば、あらかじめ顧客が出した答え

” 問題は○○であり、その解決には■■が必要であるから、△△を採用しよう” に対して、

「本当に問題は○○なのでしょうか?」「本当に■■の解決策だけで良いのでしょうか」と前提を覆し、

「問題は○○ではなく※※であり、××の解決策を打つ必要があります」と、前提条件の違う全く別の提案をするのです。

 

私が以前雑誌の広告営業をしていた時に通常の10倍近くにもなる大型受注を1社から獲得した時にも、まさにこれと同じやり方をしていました。

顧客側がすでに検討して答えを出していた広告内容に対して、

「これでは御社の強みである企業ブランドを存分に訴求することができません。今広告効果が低いのは、御社が分析されている商品訴求力の問題ではなく、御社の強みである企業ブランドが明確に伝わる紙面になっていないからです。広告上でのブランド力の訴求が、成約価格に及ぼす影響は○○○万円だと言われています。」

と、前提を覆す提案をし、喧々諤々の末、価格は当初の予定の10倍近くにもなりましたが、提案を受け入れていただくことができました。

 

また、顧客が考えている枠組から大きく逸脱した、「こんなやり方もあります」というような突拍子もない新しい企画を生み出して提案する、という方法もあります。

例えば、私が以前ご支援させて頂いたIT企業では、通信機器を販売する営業を行なっていましたが、ロット販売や値引きによる差別化ではなく、

「顧客と共に新たなサービスを開発する」

つまり、顧客の商品やサービスの一部に自社の通信機器を組み合わせるメリットを提案する、という切り口で新たな提案を続け、他社との価格競争から離れた独自のポジションを確立しました。

 

このように、強い営業部では、自社のソリューションを提案する、という従来のソリューション営業の枠組みを外れ、

顧客のためになり、尚且つ顧客が思いもつかなかったような、新たな、革新的な企画を創り出して提案するという考え方が必要になります。

 

こういった革新的な提案をする時、顧客は気分を害さないのか?という疑問が思い浮かんだ方もいらっしゃるかもしれません。

確かに、革新的な提案を好む相手と好まない相手というのが存在します。革新的な提案を好む相手に、優先的に営業をかけるという優先順位の変更も、必要になります。

ニーズがある、ニーズがない、という基準ではなく、また、協力的な人物かそうでないか、という基準でもなく、「革新的な思考をする人物(会社)かどうか」という基準で、営業の優先順位を決める必要があるのです。

得てして革新的な提案を好む企業は、成長企業であり、革新的な提案を好む相手は、経営者です。成長企業だからこそ、様々な可能性を試したいという意欲がありますし、伸びている会社の経営者は勉強熱心で、常に自分の知らなかった情報や提案を求めています。

 

もちろん、このような営業スタイルは、今に始まった話ではなく、強い営業部を持つ企業では、以前から行われていたわけですが、ソリューション営業がまだ効果を発揮していた時代には、ここまでする企業は少なかったかもしれません。

しかし、ソリューション営業が効かなくなっている今、経営視点を持ち、革新的な提案内容を企画するやり方は、今後ますます、必須の営業スタイルとなるでしょう。

 

 


 

貴社の営業部は、ご用聞き営業であるという課題を持っていますか?

貴社の営業部は、ソリューション営業を強化しようとしていますか?

そういったお考えがある経営者の皆様、ぜひ一度、「革新的な提案を企画できる強い営業部の構築」をお考えください。

体制構築のための詳細なステップや、スキームの創り方、営業研修の実施方法などは、個別相談会にてお伝え致しております。ぜひ一度、個別相談会へお越し頂ければと思います。

 


 

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