タイトルは俗っぽいものの、研究事例がいろいろ載っていて、面白い本だったのでご紹介です。
「リーダーシップのある人」とか、「感じの良い人」「付いて行きたくなる人」という感覚は、とてももやっとしたもので、なかなか、これをもってリーダーシップのある人と言う、と断言するのが難しいものだと思いますが、
この本では、人が人のどんな要素に対してリーダーシップを感じるのか、ということについて、いろいろな研究事例が紹介されているのが、とても面白く、納得感も感じられる本でした。
結論としては、タイトルにもあるように、「強さ」(厳しさ、芯の強さなども含む)と「温かさ」(優しさ、感受性なども含む)のバランスが良い人は、人の心を惹きつける、ということなのですが、確かに、思い当たることは多い気がしました。
営業の場面でも、受注が決まらない営業パーソンは、得てして優しすぎたり、厳しすぎたりする傾向があります。言い切りの回数や、共感の回数などの、「強さ」と「優しさ」のバランスを少し整えるだけで、驚くほど業績が上がることも珍しくありません。
人たらしのマネジャーなども、このバランスが絶妙に良い人というのが多い気がします。
個人的には、
男性(=もともと強さを持っている)が「温かさ」を併せ持つことは、プラスに働くことが多いのに対し、女性(=もともと温かさを持っている)が「強さ」を併せ持つことは、「違和感」を生み、マイナスの心象に働くことが多い、という一文には、なるほどなぁと思う反面、なかなか複雑な感じもして、印象的でした。
●人の心を一瞬でつかむ方法―人を惹きつけて離さない「強さ」と「温かさ」の心理学