多くの企業様で「お悩み」として話に出る「社員のスキル不足」「モチベーション低下」
「自主性の不足」。
どうしたら、社員が意欲的にスキルアップに励み、業績を向上してくれるのだろう・・・
そうお悩みの経営者の方、人事担当の方は多くいらっしゃると思います。
実際、「人財育成は重視しているが成果が上がっていない」と感じている企業は、
実に約半数にも及ぶというデータもあるほど。(財団法人 商工総合研究所「中小企業における人材の活用等の実態調査」)
今回は、社員の教育や組織の生産性向上を考える時に、打ち手としてあげられる「スキルアップ研修」と「会社の風土」の関係について、私が会社員時代に企業の人財採用のご支援を通じて実際に見た事例と、コンサルティングの現場で見た事例・経営者の方々から伺った話などから、ポイントをご紹介したいと思います。
|「社員が前向きに研修に参加する」「研修が成果に結び付く」そのポイントとは?
社員のビジネススキルを向上させ、
顧客満足度を上げたり売上を上げたい・・・と考える時、
多くの企業で、研修が実施されますが、
同じように研修を実施していても、それが上手く機能して人財が育っている企業と、そうでない企業があります。
それは何故でしょうか。
研修が現場で活かされ、業績向上に結び付くためのポイントは、概ね以下の5つに絞られます。
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① 現場にフィットした内容の研修であること
② 経営理念や事業計画に紐づいた人財育成目標(会社が評価する人財の定義)が社員に明示されていること
③ 評価制度・評価方法が社員に明示されていること
④ 評価者のマネジメントスキルを育成すること(マネジメント層が機能していること)
⑤ 「仕事のやり甲斐・自己の成長」にフォーカスする風土を創ること=「学ぶ風土」を創ること
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①については当然の事でもありますので割愛しますが、ポイントは②〜⑤です。
簡単に言うと、経営理念や事業計画から逆算した「会社が大切にしたい(評価する)人財像はこういう人」
という定義があった上で、人財育成の計画と目標があること、そして、それに即した評価制度が構築・明示されていれば良い、という事です。
そうでないと、社員は、「会社がどこに向かっているのか」
「自分はどうすれば会社の方向に合うのか」「どうすれば評価されるのか」が理解できず、
行動がブレ、意欲的に仕事に取組んだり、スキルアップに励んだりすることが出来ません。
一部のやる気のある社員だけが意欲的に取組み、研修の成果が個人によってバラついてしまう。
そういう事が起こります。会社として一丸となって、全員が意欲的にスキルアップに取組む、という状態を創るには、「仕組み」として、環境を整えていく事が重要となるのです。
また、「仕事のやり甲斐」「自己の成長」にフォーカスした風土がある、ということも、
人の本来のモチベーションに大きく影響を及ぼしています。
会社全体に「学びを楽しむ風土」が出来ていれば、社員は自発的・意欲的に行動できるようになる・・・・
という事です。
もちろん、それは、「簡単に言えば」と言えないくらい、エネルギーがかかる事であるということもありますが、社員が自走し、自ら学び成長しながら意欲的に働いている企業は、時間とエネルギーをかけて、
「人財育成」「制度構築」「風土づくり」に取組んでいます。
ひいては、この3つが企業の「採用力」にもつながっていきます。
私が知る限りでは、企業規模に関わらず、社員数20名くらいのでも取組んでいる企業もありますし、
50名程度になったら取組みはじめ、少しずつ、何年かかけて体制を整えていく企業が多いように思います。
半年で一気にやってしまう、という気合いの入った企業様も、少なくありません。
|転職理由で多い「労働環境の不満」「人間関係が悪い」という項目
働き続ける理由として多い「成長感」「やり甲斐」という項目
少し話がそれますが、ここで、私が会社員時代に企業の採用支援をしていた 頃の話を少し、 させて頂きます。
企業が人財を採用する背景は、大体は、「欠員補充」と
「事業拡大」に概ね2分されるのですが、欠員が頻繁に出る、つまり退職者が多い企業は、「労働環境」「人間関係が悪い」「会社の方針が不明瞭」という事がとても多いです。
しかし、 面白いことに、働き続ける理由は、退職する理由の裏返し、つまり、「労働環境が良い」「人間関係が良い」よりも、「成長出来る」「仕事にやり甲斐がある」という理由が多いのです。
つまり、社員のモチベーションを「上げる項目」と「下げる項目」は、同じではない、という事なのです。
このことは、実は、アメリカの臨床心理学者、フレデリック・ハーズバーグの理論「動機づけ—衛生理論」でも、実証されています。人的資源に関わる仕事についていらっしゃる方はご存知の方も多いかとは思いますが、簡単にご紹介します。
ハーズバーグ動機づけ—衛生理論」
1950年代後半にアメリカピッツバーグで200人の技術者と会計士を対象に行なった研究から生まれた理論。人が仕事に強く満足を抱く要因と、強く不満足を抱く要因は異なる、というもの。
後に、日本での調査も行われ、日本でも通用する理論だとされている。
(出典:ハーバードビジネスレビュー/ダイヤモンドオンラインhttp://diamond.jp/articles/-/2084
SMBCコンサルティングhttp://www.smbc-consulting.co.jp/company/mcs/training/eye/eye_41.html)
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●満足を抱く要因(動機づけ要因)・・・仕事の内容や、認められている感に関係がある
・達成
・承認
・仕事そのもの
・責任
・昇進
・成長の可能性
●不満足を抱く要因(衛生要因)・・・職場の環境や労働条件に関係がある
・会社の方針と管理
・監督
・仕事上の対人関係
・作業環境
・身分
・安全保障
・給与
|研修を成果に結びつけるには、社員のモチベーションを向上させる「仕組み」「企業風土」が不可欠
数時間〜数日単位の研修で出来る事は、残念ながら限られています。
研修で学んだり身につけたりした内容を、現場に戻って実践し、振返って改善し、そして同僚や部下に教えられるまで実行し、初めて、「研修が身に付いた」状態となり、「成果が出る」状態へ、つながっていきます。
つまり、研修を効果的に実施するためには、
「研修当日」→「研修後の実行」のワンセットが欠かせないということ。これは言うまでもありません。
この、「研修後の実行」のカギを握るのが「企業風土のあり方」「評価制度のあり方」なのです。
・・・『研修だけで大丈夫・・? 評価と育成と風土はワンセット(1)』
いかがでしたでしょうか。
次回パート2は、「学ぶ風土」「仕事のやり甲斐・自己成長にフォーカスした風土」の
創り方とマネジメントの関係について、実際に上手くいっている企業の実例を、ご紹介致します。
皆様の企業経営に、少しでも何か、お役に立てば幸いです。
次回もどうぞ、お楽しみに!
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