なぜ、強い営業部は、上司が部下に「必ずできる!」と言うのか? – ② 「採用への信頼」 –

人事部、採用活動、採用、信頼

前回は、強い営業部に共通する「性善説マネジメント」について、お伝えいたしました。

強い会社の営業部は、「性善説」に立ってマネジメントしています。営業パーソン一人一人を「信頼できる人間」「本来、できるはずの人」として扱います。

ではなぜ、強い営業部では、そんなふうに、「必ずできる」と、部下や同僚の能力を信じてマネジメントをすることができるのでしょうか。

いくつかキーポイントがあるかと思いますが、私は、そのなかでも「採用への信頼」が、大きなキーであると考えています。

 

つまり、強い営業部の社員(特に上司)は、自社の採用に信頼を置いている、ということです。

別の言い方をすれば、「うちの会社の採用試験に通った人間なのだから、大丈夫」と、社員が思えているということです。

 

 

「採用への不信」は、「部下(仲間)への不信」にも繋がりやすい

Not OK

 

マネジメントの現場でよく聞く話として、現場が自社の採用に不信感を持っており、

「なんであんな奴をとったんだ」という不平不満が出ていたり、

「現場の希望と全然違う人材ばかり入ってきて、教育しきれない」と、マネジメント層が疲弊していたりすることがあります。

 

こういった「採用への不信」を生む原因は、大きく3つに細分化されます。

1:採用基準が曖昧(またはない)で、社員に明示されていない

2:採用基準に現場の意見が反映されていない

3:人事部(場合によっては経営層)にそもそも不信がある

です。

1の場合は、採用基準が曖昧であることにより、受け入れる現場の上司のほうも、その社員の何が評価されて入社しているのかが分かりません。そのため、現場でマネジメントを行う時に、何か少し上手くいかないことがあったり、悪い結果になってしまった時に、「こいつはできない奴だ」というレッテルを張りやすくなる、ということが起こるひとつの要因になります。

 

2の場合は、採用基準に現場の意見が反映されていないために、極端な場合、「こいつは現場が欲しい人材ではない」というレッテルを上司が貼ってしまう、というようなことが起きたりします。

何か悪いことがあったときは、「あいつは○○さんが面接したやつだから、ダメなんだ」とか、「こんな奴を採用しておいて、教育しろと言われても、そんなの俺はごめんだ」というようなことが起こりやすくなります。

 

3も、同様です。「人事が採用する奴は、ちょっと違うんだよな」とか、「人事はそもそも信用ならない。そんな人事が採用した社員は、どうなんだ」というものです。

 

少々極端な書き方をしましたが、程度の差はあれ、部下(仲間)の可能性や人間性を信じて、「必ずできるから一緒に頑張ろう」と言えない=「性善説マネジメント」ができていない、そんな会社で、よく耳にする話です。

 

確かに、日々高い目標に向かって奮闘している現場の上司たちにとって、採用に不信がある状態で部下を信じろと言っても、どうしても無理が生じてしまうことも、あるかもしれません。

 

 

強い営業部では、「うちの採用は最高」という感覚がある

You are OK

 

一方で、強い営業部には、「採用への信頼」が必ずあります。

「うちの採用は良い採用だ」と、現場の上司も、部下も、思っています。

そういった会社では、

「うちの採用試験をくぐり抜けてきたのだから、必ずこいつは大丈夫」

とか

「うちの会社に入っている時点で、価値観は一致しているはず」

というような会話が必ずあります。

 

 

だからこそ、少々失敗したり、力を発揮できないような場面があったとしても、「大丈夫」「必ずできる」「自分を信じて頑張れ」「おまえを信じている」という声がけができます

 

「採用を信頼している」ということは、言い換えれば、この会社に採用された自分のことも信頼できている、ということにも繋がります。

自分はこの会社が好きで、この会社も自分を必要としてくれて今ここにいる、という感覚が、無意識に近いところで持てているということは、営業のパフォーマンスにも、少なからず大きな影響を与えていると言えるでしょう。

 

 

採用基準を「明示」し、「信頼構築」にも活用しよう

 

いかがでしたでしょうか。

貴社の採用は、現場に信頼されていますか?

貴社の社員は、「うちの会社に入ったのだから、価値観は同じはず」「うちの会社に入った時点で、信頼できるやつだ」

「うちの会社に入った時点で、一定のことができる人であるはず」と、仲間のこと、部下のことを、思えていますでしょうか。

また、そのような声がけを、上司が部下に、していますでしょうか。

 

採用を強化することは、優れた人材の確保という観点で、当然重要なことでありますが、社員同士の信頼関係を強化し、強い組織を創るという観点でも、非常に重要なことです。

 

必ずしも、高いレベルの採用基準を設ければ良い、ということではありません。重要なのは、スキル要件だけでなく、価値観やビジョンまでもきちんと基準を儲けて明示し、「きちんと公正に選ばれた仲間が入ってきている」という感覚を、社員が持てるようにすることです。

 

ぜひ一度、見直してみて頂ければと思います。

 

 

 

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●本コラムの関連テーマとして、「性善説マネジメント」について書いております。

なぜ、強い営業部は、上司が部下に「必ずできる!」と言うのか? -「性善説マネジメント」と「採用への信頼」①-

こちらもぜひ、ご覧ください。

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