強い営業部と弱い営業部の「目標設定」の違いとは?① -目指す世界観の明確化と売上の意味づけ-

営業会議、目標設定

貴社では、営業の個人目標を決める際、どのような基準で、そして、どのような方法で、目標を設定していますでしょうか。

・営業部長が会社の経営目標から逆算した数字を人数で割り、会議で全員に通達する

・営業会議において全員の自己申告で決める

・・・などなど、いろいろな基準や決定方法があるかと思いますが、強い会社の営業部と、そうでない会社の営業部には、決定的な違いがあります。それは、

 

✔️  強い営業部は、自分たちが「存在価値」を発揮している状態とはどんな状態で、売上にしたらどのくらいの金額になっているのか?を明確にしていているが、弱い営業部は、自分たちの存在価値について考えておらず、目指す世界がない

✔️ 強い営業部は、上記を明確にした上で、逆算して年間/半期/四半期/月…の目標を設定しているが、弱い営業部は目標数字の根拠を語ることができない

✔️ 強い営業部は全員が、ストレッチ目標(頑張れば到達できるくらいの目標)を、合意して決定しているが、弱い営業部は、到底到達できないような大きすぎる目標や、達成が容易すぎるような簡単な目標を、誰かの一存や命令で決めている

・・・というものです。

つまり、強い営業部は、目指す世界観と営業の存在意義を売上に変換した上で、合意して目標設定している、ということです。

 

目標設定は、営業のパフォーマンスを支える、非常に重要なファクターの一つです。

上手な目標設定は、営業のやる気を引き出し、高いパフォーマンスを出し続けられるエネルギーになりますが、

逆に、下手な目標設定は、営業のモチベーションを下げてしまったり、自分は会社の歯車だと感じて退職してしまう、

仕事の意味を見出せずに燃え尽きてしまうなどの悪影響を作り出す原因になってしまいます。

 

今回は、目標設定において絶対に外してはならないこれらのポイントを、2回に渡ってお伝えして参ります。

まずはじめに、本コラムにて、「目指す世界観と営業の存在意義の明確化」について、書いて参ります。

 

 

売上はお客様の期待と喜びの証。自分たちの目指す世界観を明確にし、売上に換算する

信頼、営業

強い会社の営業部では、決して、「経営から降りてきた数字」を「会社のためだけに追う」ということをしません。

当然、会社ですから、経営サイドが経営目標を決め、それに紐づいて営業部の数値目標が決まる、ということではありますが、

強い会社の営業部では、その数字をきちんと営業一人一人が、自分ごととして腹落ちさせてから営業活動に向かえるようなステップを踏んでいます。

例えば、経営サイドから、目標数字の意味が説明される場があったり、営業部長やマネージャーが噛み砕いて意味づけをして説明する、などです。つまり、

・自分たちの会社はどのような世界を創ることを目指しているのか

・その世界観の実現のために、営業部は、自社の商品やサービスを売ることを通じて、お客様にどのような喜びや価値を与えていく必要があるのか(営業の存在意義)

これらに、営業一人一人が合意するということを、大切にしているのです。

 

自社の目指す世界観や営業の存在意義を、営業部長や営業一人一人が自分ごととして語れるということは、とても重要なことです。

なぜなら、営業が心から、「売上はお客様の期待と喜びの証である」と認識することができなければ、営業という仕事はただの、「人にものを売りつける嫌な仕事」になってしまうからです。

自分の仕事が「人にものを売りつける嫌な仕事」だと思っている営業は、売れません。営業は、自分の会社や仕事そのものが好きでなければ、絶対に売れることはありません。

自分たちの仕事の意味を明確にしたら、「自分たちが目指している世界観が実現できている状態は、売上にするといくらくらいの状態なのか」を、同時に明確にしていきます。

それが、中長期の数値目標になっていることが重要です。

 

また、営業一人一人が、会社の価値観や、売上の意味について合意する、ということも、非常に重要で欠かせない要素です。

「会社が勝手に言っていることだから」「会社から言われている目標だから仕方ない」

という、「自分の意思ではない」という状態で営業活動をしても高いクオリティーの仕事は出来ませんし、仕事にコミットメントしていない状態では、人間的魅力が発揮出来ず、結果、営業成績にも繋がらないからです。

また、目指す世界観や売上の意味が腹に落ちていない状態で単に数字だけを追い続ける仕事は、早い段階で「燃え尽き」の状態を創り出してしまうことにも繋がります。

 

貴社の営業部はいかがでしょうか・・・?こういった概念がない場合は是非、すぐにでも実行して頂きたいと思います。

 

次回は②「ストレッチ目標と合意」をお届けします。どうぞお楽しみに!

 

 


●本コラムの関連テーマとして、「営業部の存在意義」について書いております。

「営業の存在意義」と「働く誇り」の関係 - なぜ、強い組織は「存在意義」を語るのか?

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